職務履歴書(病弱)

新しい職場での就業3日目を控えて早めに入った布団の中で書いている。いま転機のまっただなかにいる。

 

私は主にバイオ関係の実験業務を行う派遣社員だ。30代だし、給料は正直かなり厳しいし、友人知人がみな結構ばりばり働いてる中でのハケンは気がひける。それでもこれは私の精一杯の努力の末に手に入れた、ようやく掴んだ、私の仕事だ。

 

19歳の時にうつ病の診断を受けた。以来治療を続けて持病とつきあっている。大学はなんとか卒業したものの、大学院進学を体調悪化を理由に断念したため、とりあえず身ひとつで地元に帰ることになる。進学予定だったのでシューカツはしていないし、そもそも体調は安定しないままで、とても長時間働ける状態ではなかった。

それでもなんとか働きたいと地元の百貨店のコーヒーショップのバイトで体力をつけながら、今住む街のバイオ実験のアルバイトの仕事を見つけて応募したのが2010年の夏。

大学時代の専門を活かした仕事がしたい、自分のこのままならぬ体でも挑戦してみたい、そのための最初の一歩だった。

 

初めて暮らす街で初めて着任した大学での仕事は楽しく、やりがいもあり、自分にもできる仕事があるんだという大きな自信をくれた。それでもアルバイトなので生活はカツカツ、うつも突然急激に悪化し頻繁に病欠したりと不安定。結局3年で退職することになる。

2013年からはまた別の研究施設でアルバイトとして働いた。ここではかなり大きなプロジェクトが動いていて、世界最先端の研究が毎日バンバン進む。そんな中で大きな転機になったのはSTAP細胞事件だった。こんな不正か起こる科学の世界でこれからもやっていくのか、自分の仕事に意味があるのかバイトながらもめちゃくちゃ悩み、結局うつもかなり悪化してしまい、療養のために退職。

その後は科学分野から離れ、しばらくリハビリを兼ねて知人のカフェで働いた。いくつかアルバイトを経て体力と精神力を養い、いよいよ念願のフルタイムでの勤務も夢ではなくなるところまで来た。

強いからだを得てどうしようか。なんの仕事をしてなにを目指そうか。結局、やりたいこと、やれることは今までの実験の仕事しかないと腹を決め、バイオ実験の派遣社員になった。

 

うつ病患者の就労はかなり大変だとほかの患者さんからも聞く。同じ病院に通う患者仲間でも、みなアルバイト以外は難しいし、仕事しても体調悪化で辞めるのを繰り返す人も多い。私たちに仕事は無理なんだろうか、働きたいなんて贅沢なんだろうかと思うこともある。働く理由は自己実現とか社会参加とかもあるけれど、それ以前にお金がなくて困るという現実的な問題がある。うつ以外でも病気や障害のある人たちってどう働いているんだろう。みんなの働き方を知りたい。

 

昨日が派遣先への初めての出社日、いきなり8時間みっちり働いて今日もベロベロだけど、元気だ。最初にこの仕事を志してから8年、ようやく今フルタイム仕事生活がはじまろうとしている。これから体がもつのか、業務をこなしていけるか、不安はつきないけれど、でも、やれるだけやってみようと思う。

 

#わたしの転機

りっすん×はてなブログ特別お題キャンペーン「りっすんブログコンテスト〜わたしの転機〜」
Sponsored by イーアイデム